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宅急便のお兄さん

雨が降っている中、タッツタッツと階段を登り、今日も宅急便のお兄さん(おじさんの時もあり)が荷物を持ってきます。我家は娘がほとんどnetで物を買っているので宅急便の人が来ない週はありません。

(この仕事は大変だなあ~)といつも思ってます。
荷物が軽いこともあるけれど、重いものもあるし。ウチなんて持って来るのが大変だからと頼んでいることもあります。そして不在の場合、もう一度二度来なければいけないし。

お金の集金がある場合は事前にすぐ貰える様に電話が来ます。電話から速攻でくると思ったら階段の下で電話したそうです。もしいなかったらあがらなくていいと。


むかし(私の若い頃)は宅急便の会社は無く、すべて郵便局の小包でした。
田舎から大きな木の箱でりんごやお米が届き、それをみんなが見守る中、釘抜きで父が開けたものです。
人から何か届くうれしさ、喜びを感じました。

それがいつの間にか明日届く宅急便が普及し、今やそのお兄さんが走っていない日を見るほうがまれです。
またインターネットが普通になり、要らないものまでポチッと購入ボタンを押し、宅急便が届きお金を払うときにしまったと思った人も私ばかりではないと思います。

店を営業していた頃、修理や卸した商品の受け取りなどで毎日宅急便を使っていました。
そういう時は交渉して値段を安くしてもらうのです。
うちの店に来るお兄さんはイケメンで結婚してからそんなに年数がたっていない人でした。
商店街なのである場所に車を置き、後は店舗を台車とともに走っていました。

少し時間があると話をしていろいろな事がわかりました。会社によっては歩合制なので転職して来た人は何らかの理由でお金がいる人が多く死に物狂いで仕事していること。
でも無理がたたって体をこわしてしまう事。彼は夏になるとそのハードさから8キロは痩せるといってました。
「でも冬眠中のクマみたいで冬にそれがもどるんです。その繰り返しです」と。

お客様が夕方直した商品を取りにくるのに、まだ宅急便が届かない時、まだかまだかと夫が店の前をウロウロしていたのも思い出です。ただの荷物と言うなかれ、今の日本では重要な役目をになっているのですね。

何年か前にトム・ハンクスの”キャスト・アウェイ” (漂流者か?)という映画を見ました。
大手のFedExという貨物配達に勤めているトムが飛行機事故で無人島に流れ着き4年間をそこで暮らすというサバイバル映画です。

浜辺に飛行機の残骸と一緒に宅配便が流れ着き、それが今必要なものかどうかをと一つづつあけてゆくトム。それは孫の誕生日プレゼントのぬいぐるみとか野球のグラブとかサッカーボールとかエロビデオとかで無人島で役にたつ物はありませんでした。

その中のサッカーボールを友人に見立て毎日話しかけつつ壮烈な日々が過ぎて行きます。
4年の歳月がたち、やっと救助され現代に戻った彼。
一つだけ開けなかった宅急便をもって4年の歳月がたった家に届けるのが最後のシーンでした。

その時、私は宅配って心を届けているんだなと思いました。
人と人とのつながり、一つの小さなプレゼント、母の日のお祝い、孫や祖父母へのなんの変哲もない品物。
第3者がみたらどうということはないものでも、受け取る人にとってはかけがえのないものでもあるでしょう。

だからこういう商売がなりたっているんだな~。
今日もピンポン♪とチャイムが鳴り「はーい」と出てゆく私です。
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by sakua3619 | 2009-06-21 14:24 | ひとりごと | Trackback | Comments(0)

この世に何をしに来たのか考えつつふつうの生活してます


by sakua3619